相続について(ゴミ屋敷編) 後編

2022年10月15日
相続放棄をする場合のメリットとデメリットとは?

実家がゴミ屋敷だと知った際、相続を受けるか、相続放棄をするか選択を迫られますが、どちらが良いのかは状況によって違ってきます。
ここからは、相続放棄のメリットとデメリットについて詳しく解説をしていきます。

 

ゴミ屋敷を相続放棄するメリット

ゴミ屋敷を相続放棄した場合、ゴミ屋敷は負債と同じ扱いとなります。その為、ゴミ屋敷の処理に関して対応する義務は発生せず、大家や管理会社からの費用の請求に応じる必要はありません。
その他の負債が多い場合もそれらと一緒に相続放棄することで、予想外の負債を抱えるという事態から逃れることができます。
しかし、相続放棄することでゴミ屋敷清掃にかかる面倒な手続きなどから逃れられるといったメリットはありますが、相続放棄したからといって何もしなくてもよくなるということではありません。
法律では、「相続放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」 (民法940条)とされています。
相続財産管理人(代わりに相続財産を管理することになる人)が管理を始めるまでは、管理義務があるということは頭に入れておかなければなりません。


ゴミ屋敷を相続放棄するデメリット

 

ゴミ屋敷を相続放棄するデメリットとしては、ゴミ屋敷だけでなく現金や物品といった資産やその他の財産についても、譲り受けることが出来なくなるという点です。
故人が折角残してくれた遺産を一切受け取れなくなるというのは、故人への思いが強い程、受け入れがたいものです。
更に、相続放棄してしまうと、ゴミ屋敷を清掃し使えるようになった場合の利益を得られる機会を損失することになります。汚れや家の状態にもよりますがゴミ屋敷となってしまった家でも清掃をした場合、元の綺麗な家へ回復させることができます。
ゴミ屋敷を綺麗な家に清掃できた場合、「持ち家にする、売却をする、賃貸にする」といった選択肢があります。清掃に費用がかかるかもしれませんが、最終的には資産として長く運用していけるかもしれません。
相続放棄をした方が良いのか、しない方が良いのか、専門家に相談し、慎重に調査し判断をしなければなりません。

 

ゴミ屋敷の相続放棄を考える際の注意点

ゴミ屋敷を相続放棄すると決めた場合、以下の注意点があるので気をつけてください。

1.相続放棄には3ヵ月という期限がある
前述した通り、相続放棄には期限が存在します。
相続放棄は「故人の死を知ってから3ヵ月以内」と定められているため、速やかに相続対象の情報を集めて調査をしましょう。
調査結果により相続放棄を決めた場合は、相続放棄の手続きについて弁護士または司法書士に依頼することをおすすめします。

2.ゴミ屋敷の片付けを行うと、相続放棄ができなくなる可能性がある
ゴミ屋敷を相続放棄する場合、勝手に片付けを行ってしまうと相続放棄できなくなる可能性がある点には注意が必要です。
法律では「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき、単純承認をしたものとみなす」(民法921条)とあります。これは簡単に言うと、相続人が故人の財産を一部でも処分すると、相続に承認したと見なされるという内容のものです。
ゴミ屋敷の清掃の際に、一部でも片付けてしまうと上記の法律に該当してしまう場合があります。とはいえ、近隣住民や他人に迷惑や危害が加わっている場合は、ゴミ屋敷を清掃しても問題ないと判断されるのが一般的です。
相続前に高額な財産となるものを処分や売却したような場合には相続を認めたことになりますが、状況によっては財産を処分しても相続放棄ができる場合があります。

法的に判断が難しい状況の場合は、豊富な経験を有する専門業者や専門家に相談することで
トラブルを招く危険を回避できます。
こうしたお悩みを抱えている方に対しサポートすることも可能ですので、お気軽にお問い合わせくださいね。
ゴミ屋敷清掃の見積もりは、弊社にお任せください

相続する実家がゴミ屋敷だとわかった段階で、ゴミ屋敷清掃にどれだけかかるのか、専門業者に見積もりを依頼しましょう。
ゴミ屋敷清掃にかかる費用を算出せずに相続をするか、相続放棄をするかを決めてしまうと、思わぬ出費がかさんで損失が多くなってしまう事態に陥ることがあります。
また、ゴミ屋敷清掃の見積もりと実際にかかった金額が違うと、折角の大事な判断が誤っていた…という結果にもなりかねません。
弊社は実際に現場を確認し見積もりをするため、ゴミ屋敷清掃にかかるおおよその費用と見積もりに大きな差がなく、作業を完了することができます。
今までの実績や経験を活かし、出来る限り正確なお見積りを行えるよう尽力しますので、お困りの際は是非、弊社にお申し付けください。

まとめ
今回は相続を受けた家がゴミ屋敷だった場合の対処法と相続放棄のメリットとデメリット、相続放棄する際の注意点について解説致しました。
相続を受けた物件がゴミ屋敷だと知った時、目を背けたくなるかと思いますが、早めの対処をしなければ後々、より大変な事態になる場合があります。できるだけ早く、現状を把握することで決断までの猶予が増え、適切な対処が可能になります。
ゴミ屋敷と相続は法的な問題が絡んでくる難しい問題なので、1人で悩まず、専門業者や専門家に相談することを強くおすすめします。
もしご相談頂けましたら、専門家としての経験と知識を活かして、誠心誠意サポートさせて頂きます。

相続について(ゴミ屋敷編) 前編